最近のあれこれ

まずは、私もメンバーとして参加している、昨年夏のMostly Mozart Festivalのコンサートビデオがアメリカのテレビ局、PBSよりオンラインでストリーミング中なのでご紹介いたします。昨年2016年の夏がフェスティバルの50周年記念だったため、特別番組が収録されました。収録されたナマのコンサートでは、モーツァルトが8才のときに作曲した交響曲第1番と、最後に作曲された第41番「ジュピター・シンフォニー」、そしてピアノコンチェルトという内容です。

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モーストリー・モーツァルトの50年




次に、あまりよく知られていない、弦楽器のメンテナンスについて。

小さなお子さんは体のサイズに合った分数サイズのバイオリンを使います。その際、こちらアメリカでは短期間のみ使用する楽器をレンタルできる便利なお店がたくさんあります。当教室にいらした生徒さん達にはレンタルをお勧めしていますが、たまにお父さんが子どもの頃使っていた楽器や、お友達に譲っていただいたバイオリンなどを使用する生徒さんもいらっしゃいます。

楽器は、家と似ていて、湿気や気温に敏感ですし、使わず放っておくと部分的に壊れたり、故障したりするので、常にメンテナンスが必要です。でも、クオリティの良い楽器を購入すれば、普段から丁寧に使い、きちんとお手入れしていれば、少しのメンテナンスで何十年も使い続けることができます。お子さんが自分のお父さんやお母さんが子どもの頃に使った楽器を代々引き継いで使っていけるのは親子ともにとっても嬉しいことですね。

プロの演奏家の場合、数100万円もかけ、(時には数1000万円も!)自分に合った、高いクオリティの楽器を探します。ほとんど家探しと同じです。何ヶ月も、時には何年もかけて自分にとってパーフェクトな楽器に巡り会えるまで探し続けます。

私のヴィオラは10数年前にこちらニューヨークの楽器屋さんで巡り会った楽器を使っています。この秋、突然、音が変になってきたので調整に行きました。こういう場合、ほとんどは魂柱(こんちゅう)の調整をしてもらいます。「魂柱」とは、ヴァイオリン属の楽器において、表板と裏板を直接つなげる唯一の棒であり、これによって音が裏板まで振動し、楽器全体に音が響くようになる仕組みです。魂柱の位置の1ミリや2ミリの違いで楽器の響きが大きく変化します。この調整は楽器職人でないとできない作業です。

 新しく制作、取り付けてもらったコマ。文字は制作者の名前。

新しく制作、取り付けてもらったコマ。文字は制作者の名前。

 中に書いてある文字は製作者、製作地、製作年。中に立っている棒が魂柱。

中に書いてある文字は製作者、製作地、製作年。中に立っている棒が魂柱。

ところが今回は2回も魂柱の調整をやり直してもらったにもかかわらず、響きがどうもいつもの感じに戻らなかったのでもっと良く見てもらうことにしました。楽器の入院です。結果、コマ(ブリッジ)が古くなっているのと、魂柱自体が短くなってしまっていたとのこと。木でできているので長期間、湿気や気温の変化、そして弦の圧力に耐えてきたものが変化するのは自然なことです。そこでコマも魂柱も新しいものを作ってもらい、取り付け、調整してもらいました。💸💸💸な金額でちょっと痛かったのですが、商売道具のメンテナンスは必要不可欠。でも、おかげで楽器は良い音を取り戻し、以前よりあたたかな音が鳴るようになった気がします。

 古くななってしまってリタイヤした魂柱とコマ。文字は制作者の名前。

古くななってしまってリタイヤした魂柱とコマ。文字は制作者の名前。

使い捨てが当たり前の世の中ですが、皆さんも、楽器はきちんとお手入れして大事に、長いこと使ってくださいね。