コラム 〜第8回〜 『バイオリンの先生の選び方』

今回は先生の選び方についてお話ししてみたいと思います。このコラムを読んでくださっている方にはぜひとも当教室、福田千尋バイオリン教室へ! と、書きたいところですが(笑)、地理的に必ずしもそういうわけにもいかないと思いますので、探し方をご紹介いたします。一口にこれが一番確実! という簡単な選び方はないものの、いくつかポイントをおさえれば少しは当てができるしょう。

まず念頭においてお考えいただきたいのは、長く、同じ先生で続けられるよう、選ぶこと。バイオリンは、先生によって少しずつ教え方が異なりますから、コロコロ変えてしまうとお子さんが混乱する原因になりやすいです。また、一対一の習い事ですから、先生・生徒さんの間柄はとても個人的で、お互い、慣れるまで時間がかかります。先生がお子さんの性格を熟知して対応できるようになるには数カ月かかりますし、お子さんも初めての先生の前では緊張しますからレッスンを始めてすぐにしっくり来ないこともあるかもしれません。

長く付き合える先生を選ぶときに一番大事なのは、お子さん、そしてご両親となるべく相性の合う先生を見つける事です。経験豊富であったり、お友達から推薦を受けたからといって同じ先生が自分と合うとは限りません。では、相性をどうやって見極めるか。残念ながら簡単な方法はありません。最初はうまくいかないような気がしても、数カ月たってようやくしっくり感じる事もあります。でも、初めて体験レッスンや面会に行って先生に会う時にこういう質問をしてみると良いかも知れません。

●どのようなメソードや教本を使っているのか
教え方がはっきりしている先生。姿勢を重視し、基礎を丁寧にゆっくり教える方針の先生がお勧め。それをご家族にきちんと説明してくださる先生がお勧め。

●練習はどのくらいするべきか
毎日少しずつしてください、と言われるはず。年齢やレベルによって練習時間は違ってきます。

●親がレッスンについて行くべきか
親がレッスンについて来なくても良いという先生は経験が少ないかもしれません。子どもによってはお母さんやお父さんが一緒にレッスン室へ入らない方が集中出来る子もいます。そういうお子さんでも、小さいうちは少なくともレッスン最後の5分くらいは親に入っていただき、今日教わった事を復習し、親の前で発表し、家で練習出来るようにする必要があります。

●発表会等、子どもの演奏機会が年に何度あるか
年に最低1〜2回は発表の場があるのが理想的。ゆっくり時間をかけて習い、磨き上げた曲を人前で演奏するのも大事な経験の一つ。

●レッスンを休む場合のポリシー
アメリカの場合、たいがい24時間以上前に連絡する決まりですが、教室や先生によって違う場合もあり。前もって聞いておくと良いでしょう。

都会に住んでいると先生の選択肢が広がりますね。でも選択肢が多すぎてどこから手をつければ良いのかわからない! と感じるでしょう。最初に当たってみると良いのは次のいくつかの情報源。

●たくさんの先生を雇っている地元音楽教室に入会する
【長所】もしも最初についた先生と相性が合わなかった場合、他の先生に変えてもらえる可能性があり。教室システムができあがっているのでトラブルがあった時に対応してくれるマネージメントの存在。
【短所】人気な先生は予定が一杯でなかなかとってもらえる確率が低い。年間契約が必要な場合もある。レッスンをたくさんお休みすると後で補講してもらえない可能性あり。

●すでにレッスンを受けているお友達等に紹介してもらう
【長所】共通点のある人(お友達)に紹介してもらうのですから、条件が合う可能性高し。すでにレッスンを受けている友達に詳しい情報を前もって集められる。
【短所】お友達と相性が合うからといって、自分と相性が合うとは限らない。

●ネットや新聞で検索してみる
【長所】周りの影響なく、焦らず自分に合った先生探しを できる。
【短所】実際に習っている生徒の感想を集めにくい。リサーチに時間がかる。

最後に、無理なく通える場所と時間にレッスンが行われるか、という事もお考えになると長続きしやすいはずです。あまり遠すぎたり、地理的に通いにくい場所だと最初はハリキって一生懸命通えても、赤ちゃん等小さな兄弟がいたりするとだんだん通うのが不便になってしまうことも。引っ越し等でやむを得ない場合はしかたないですが、先生によってメソードが違ったりすると子どもはこんがらがってしまいますから、なるべく長い事同じ先生につく事を考えて先生探しすると良いでしょう。

目に見える効果が短期間では現れにくいバイオリン。年単位で長く続ける事が成功の秘訣です。そのためには教室や先生選びは焦らず、慎重にすることをお勧めいたします!

 

*このコラムはニューヨーク・ウィークリー・ビズ紙さんのオンライン版に掲載されました。